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21st frog in Dec.  師走の蛙 21匹目

師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。

インフルエンザ...

2008 12.1

インフルエンザがはやくも流行の兆しを見せています。インフルエンザはただの風邪ではありません。高熱、頭痛、筋肉痛を伴い、体力の落ちた老人や免疫のよわい小児には命にかかわる病気です。一時はマスコミで予防接種の副作用が喧伝され、インフルエンザ予防接種の実施率が下がってしまいました。しかし、そのために老人や小児でインフルエンザをきっかけに命を落とす方がたくさんいらっしゃることが判り、近年は積極的に予防接種をおこなおう、という機運が拡がってきました。

もちろん、予防接種に限らず、およそ医療行為で100パーセント安全ということはありません。人間の体は千差万別で(それが個性なのです)、考えられないような副作用をしめす人もあります。先日は、酸化マグネシウムという緩下剤が「因果関係は不明だが服用している人が15人亡くなった」という新聞報道があり、びっくりして診察に来られた患者さんがいました。

よくよく新聞を読んでみますと、要点としては「年間でのべ4500万人処方されている緩下剤を服用している人が、原因不明の脱水症で入院し15人が亡くなった」というようです。単純に計算すれば、ある薬を服用している人が因果関係ははっきりしないが「300万人にひとり亡くなった」、ということです。一般の人には15人も亡くなったこわい薬かも知れません。しかし、医師の立場から言えば「3000000人飲んで2999999人が安全であった」となれば、こんなに安全な薬を探し出すのは難しいんじゃないか、とさえ思います。それこそ水虫の薬だって、もっと危ない薬なのです。

話が脱線しました。最近はよく、新型インフルエンザの発生時期がマスコミで取りざたされています。新型インフルエンザについてはまた、改めて別欄でとりあげるつもりですが、万一、新型インフルエンザが発生したときに、あわせて通常のインフルエンザが流行したらどうなることでしょう。通常のインフルエンザならば9割以上の可能性で感染を予防できるワクチンがあるのですから、積極的にワクチン接種を受けるべきだと考えます。

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