師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。
食欲の秋、運動の秋、読書の秋など、秋はいろいろな顔をもっていますが、私には芸術の秋です。昔から絵を描くのが好きで、幼稚園の頃から絵本の片隅に落書きをしていました。スケッチブックというより落書帳を父が持って帰ってくれたのが楽しみだったのを、ぼんやりと記憶しています。
小学生になっても絵を描くのが好きで、その頃は「将来は絵描きになりたいなぁ」なぞと大胆なことを考えていました。小学校に上がった頃に、同級生の父親がお絵かき教室を近所で開いていたので、そこに週に1回通うことになりました。「算盤教室」「書道教室」など、町に寺子屋風の習い事教室が溢れていた時代です。
ただ、どうにも人にものを教わるのは苦手でして、とくに絵など「こう描きなさい」と言われても 自分の思ったようにしか描けないわけです。なんやかんやで、結局5回も通わないまま 「面白くないから行きたくない」と止めてしまいました。
もっとも、もう少し後になって自覚したのですが、私は線画を描くのは得意なのですが、それに彩色するのが苦手です。じっと精神を集中して、この枠からはみ出さないように色を塗る、というのが下手だったのです。つまり、落書きはできても絵画をしあげる才能がありませんでした。
このサイトでたくさんイラストを描いていますが、ほとんどが線画なのもこのためです。さいわいにパソコンでは彩色のやり直しもきくし、「この範囲だけ色を塗りつぶす」のが簡単です。本当にパソコンはわたしにとって、絶好のお絵かきの道具になっています。
開業してから、よく美術展を覗きに行ったりします。この秋は中之島へモディリアニ展、神戸へシャガール展を観てきました。関西は東京ほどではないものの、大きな美術館がたくさんありますし、なによりも大阪、京都、神戸、奈良、大津などなど、すこし足を伸ばせば「これが同じ関西か」と思われるほど 町並みから雰囲気から違うのがお気に入りです。