師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。
アルコールを代謝するのは主に肝臓の働きですが、飲む量にもよるのですがアルコールを代謝するのにはおよそ1日かかるそうです。ですから、毎日お酒をのむ人は、四六時中アルコールを分解するのに肝臓を酷使しているわけです。で、24時間以上、お酒を止める日を設けるのが肝臓をいたわるのに大事なのです。
そこで週に1回ないし2回、お酒をやめましょう、というのが休肝日です。会社の検診でよくガンマGTPという数字を測りますが、これがお酒のみのひとつの目安になります。これが多少上がっているだけなら問題は少ないのですが、別の肝臓の数値が上がるようだと大変です。立派なアルコール性肝炎の仲間入りです。
日常の診療でアルコール性肝障害はよくお目にかかる病気で、その程度に応じて「お酒少々控えましょ」「休肝日もうけたほうがええよ」「しばらくお酒止めましょ」「当分お酒を止めなさい」「お酒と縁を切りなさい」とこちらの言い方も変わってくるのですが。
実はこういう私もビール党でして、真夏の暑い盛りには、多い日には缶ビールを一日5.6本飲み干します。日長一日、患者さんの訴えを聞いて相槌を打ち、ときに患者さんを誉め、叱り、耳と口と頭は絶えず動かしている。クタクタになって帰宅した後、ビールを飲みながらたまたま阪神が勝っていると、これに優るストレス解消はありません。もっとも阪神が勝ったら祝杯、負けたら憂さ晴らしで飲むのですから、ビールが止まる心配?がないわけでして。
秋風が吹いて涼しくなったある日、「ひょっとしたら俺はアル中になってへんか?」とふと疑心暗鬼になります。ですから、この8年ほどは自分がアル中でないことを確認する意味で、10月ごろより最初の忘年会=12月上旬のころまで2ヶ月弱、お酒を断つのが年中行事となっています。
今年も先月の中旬より、ビールを止めています。むかしはビールを止めるだけで体重も減り、如何にビールが高カロリー飲料か、と実感できたものです。ただ問題なのは、ここ数年は夏場の蓄えを消化しきるほどは体重を減らすことができなくなりました。今やメタボ一直線、「先生また貫禄つきましたなぁ」と患者さんにニヤニヤされてしまう、どうにかせんとあかんなぁ、と思う今日この頃です。