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18th frog in Dec.  師走の蛙 18匹目

師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。

たばこを止めよう...

2008 10.12

この夏よりタバコを止めるための薬、チャンピックスを保険診療で行っています。最近になり随分と興味を示される方が増えてきて、すでに何人か禁煙に成功しています。

いままでの禁煙補助剤=ニコチンガムやニコチンパッチ(貼り薬)と違うのは、くすりにニコチンが含まれていない点です。ですから、従来よく見られた口内炎や皮膚炎がおこりにくく、薬を続けやすいのです。実際、「ニコチンガムでだめだったが飲み薬は楽だった」と仰有る方も少なくありません。

実際に薬代として必要なのは、保険診療であれば「一日一箱煙草を喫う人なら、それとトントン」ぐらいです。ただし、肝心なのはこの薬もあくまで「禁煙を支援するためのくすり」だ、ということです。一番大事なのは「ぜったいタバコを止めてやる」というご本人の意志です。「薬代もたいしたことないし、いっぺん試しに止めてみようか」という気では駄目でしょう。

じつは私は学生の時分にすこしタバコをたしなんだことはあるのですが、タバコが習慣になることはありませんでした。ですから、禁煙のつらさは知りませんし、「酒飲みに優しくタバコ喫いに厳しい」かも知れません。お酒は量を過ごさなければ(それが難しい人もあるのですが)血行を良くし、薬として働くことがあります。しかし、タバコは少しだから体によい、ということは決してありません。

もうひとつ問題になるのは、タバコの煙はまわりに拡がる点です。灰皿のタバコから立ち上る煙、むかしは映画の小道具としてよく使われたりしましたが、この紫煙の中にさまざまな発ガン物質が含まれています。つまり、タバコを吸うことで、自分だけでなく家族をはじめ周囲の人の健康に害を及ぼしているのです。

愛煙家という言葉はありますが、医学的にいえば「ニコチン中毒者」にすぎません。「酒は百薬の長」というのもどうか、と思いますが、煙草は間違いなく「命を削る鉋(かんな)」なのです。

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