師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。
今年に入ってから、ひどい天災がアジアを襲っています。先日ミャンマーにサイクロンが襲来したかと思うと、今度は中国の四川省を中心とした大地震が。中国の震災での犠牲者は5万人を超え、ミャンマーでの犠牲者はさらに多いのでは、と予想されています。彼の地での被災者支援のありかたについて、新聞等で批判がなされていますが、それはそれとして。
ここ関西に住んでいると、天災といえばすぐに思い出すのが平成7年の阪神淡路大震災です。関西は地震とは縁遠い、と錯覚していました。幸い私の親族には大きな被害をうけたものはいなかったのですが、当時の混乱振りは今でも思い出されます。
私はちょうどその頃、豊中市立病院に勤務していました。巷間、あまり報道されなかったのですが、豊中市(兵庫県と県境を有する)も大きな揺れを感じました。被災した人も少なくなく、しかし報道がなされないため義捐金も集まらず、大変な苦労を被災者はされました。
市立病院の医師も週に一二回、交代で避難所を回診しました。私の順番が回ってくる前に、避難所は解散しました。思いの外、早く避難所がなくなったことは喜ばしかったのですが、その一方で「医師としてもう少し困っている方のお世話ができたのではないのか」と考えさせられました。
近々、日本より医療チームが中国に派遣されます。少しでも被災者の役に立ってもらえれば、と心より願っています。