師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。
道路特定財源という訳の分からない税金があることを、不肖私め、長い間知りませんでした。ガソリン代のうち、いくらかが税金なのは知っていたのですが、それがまるまる道路をつくるためだけの財源となっていたそうです。
新聞、テレビの報道によれば、道路をつくる以外にもこの道路特定財源が流用されていました。なかには、毎晩帰宅にタクシー券を利用していた強者までいたとか。親方日の丸とはこのことでしょうか、民間企業では考えにくい話です。
国民の怒りももっともです。そもそも、こんな狭い日本の隅々まで、そんなに立派な道路が必要なものでしょうか?道路族やそのまわりに闊歩する魑魅魍魎(読むことはできても、じぶんでは決して書けない言葉)たちに禄をはますために、国民は税金を納めているわけではありません。
いったい今の日本にほんとうの政治家がどれだけいるのでしょうか?高校生の頃、英語で「statesmanとpoliticianの違い」を習ったのを思い出しました。日本語に直せば、「政治家」と「政治屋」になりましょうか、statesmanはいずこへ??だれが総理でだれが議員でも国民はかまわない、政治に携わる人たちは、ただただ、日本の国と国民のことだけ考えてもらいたいものです。
いわゆる道路族がいう話。「田舎では道が悪いので、急病人が出ても病院までいくのが大変、ですから人があまり通らなくても道路は必要なのです。」ところが、一方で医療費抑制政策を推し進めた結果、いまでは「りっぱな道はできたけれども、道の先にあった病院が潰れてしまった」というのが現実です。
道路特定財源は即刻一般財源化すべきでしょう。それよりも「社会保障」特定財源こそ急務ですし、今の時代「立派な道を一本造るよりも、充実した救急病院を地域にひとつ担保すること」のほうが、よっぽど票に結びつくのではないでしょうかね、「政治屋」さま?