師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。
昨年、担当の先生が急に中学校の校医を辞退されることとなり、講習会やら通いまして、おっとり刀で校医を務めることになりました。木曜の午後、2時間あまりかけて聴診器と格闘しています。今年も先月から、4回内科検診に行っています。
校医の先生によっては、クリニックを一日閉めて、丸一日かけて検診をするかたもあります。ただ、私のスタンスとしては、まず自分の患者さんに迷惑をかけないことが第一だと考えています。何回にもわけて中学に通うのも正直にいって辛いのですが、やはり外来患者さん優先すれば仕方がないかな、と考えています。
その一方で、校長先生、教頭先生、保健室の先生などなど、先生方と地域の事情と情報を交換する機会がえられます。もちろん中学生がクリニックへ通院することもよくありますが、学校で診てはじめてわかることもあります。そういう意味でも、地域医療に貢献するだけでなく、私の勉強になっている点も多々あります。
実は私が校医をつとめている学校、その昔は母校の分校でした。新幹線が隣を通ると木造校舎が揺れるような、いろんな意味で賑やかな典型的な下町の学校でした。子供がまだまだ増えている時代で、わたしが中一のときは17クラスあったのが、中二にあがるときに7組までが独立したのです。そういう意味でもある種のご恩返しかな、と思いながら勤務しています。