当院でおこなっている痔の日帰り手術につき、簡単に説明します。なお、原則として日帰り手術は肛門周囲膿瘍など緊急を要する場合以外は、予約が必要です。手術前にあらかじめ、受診して下さい。
日帰り手術の当日のスケジュールについて、もう少しくわしく知りたい人は、右下のバナー「じー太手術場へ」をクリックしてください、パラパラ漫画風に解説しています。
前もっておわたしした下剤と睡眠導入剤を服用し、ゆっくりとお休みください。お酒や消化が悪いものは、夕食にはひかえるように。
また、ふだんから服用されているくすりがあるときは、お申し出下さい。手術前に数日の休薬が必要な場合があります。
すっきり目が覚めましたか?排便をすませたら、手術の準備です。朝食は抜きです。ただし朝早くならば、少量の水分は可能ですので、ふだん飲んでいるくすりで大事な薬(血圧や不整脈の薬など)は、糖尿や血液をさらさらにする薬以外はのんでもらってもかまいません。判断に迷うときは医師にご相談ください。
来院は公共交通機関あるいは徒歩でおこしください。術後には車の運転や自転車に乗ってかえるのは危険な場合があります。
来院すれば、まず点滴など手術の準備をおこないます。オペ室へはいる前に、浣腸をして腸をきれいにし、肩に注射をすれば、いよいよです。
オペ室へは車いすで出室します。まず、心電図や血圧計など、モニターを体に装着します。
つぎに、麻酔の準備です。サドルブロック麻酔で行う手順は、オペ台に深く腰をかけて、自分のおへそをのぞきこむように、丸くなります。消毒をすませたあとに、術者は背中の麻酔の針を刺す場所をまず、指で探ってから声をかけて、針を刺します(当院では、この腰椎麻酔用の針はペンシルタイプという細い特殊な針を使います)。
麻酔薬を注入すれば、2,3分で肛門まわりからしびれてきます。体位をジャックナイフあるいは砕石位とします。
麻酔がしっかり効いていることを確認して手術が始まります。手術中はもちろん、痛みはありません。手術中、時々医師や看護師が声をかけますが、眠ってしまう人も少なくありません。
当院では、全身麻酔や静脈麻酔の追加は原則としておこないませんが、不安症のひとでご希望があれば、すこしウトウトするように薬を追加することもあります。
手術が終われば、回復室で点滴をしながら休みます。術後すぐでも膝を立てたりできますが、太もものあたりは力が入りにくく、麻酔後しばらくはひとりで歩くのはむりです。
手術後早ければ2時間ほどで肛門周囲の感覚がもどってきます。腰椎麻酔後の注意しなければならない副作用に、尿が出にくくなることがあります。どうしても、肛門周囲だけでなく、膀胱の方まで麻酔が効くからです。
原則として、当院では自分で尿が出るのを確認してから帰宅してもらいます。早い人で術後3時間ほどですが、およそ4、5時間と思ってください。最後に創部のチェックをし、出血など問題がないことを確認し帰宅となります。
ご帰宅はできるだけ、どなたかに迎えにきてください。自分では大丈夫、とおもっても階段の昇降などが問題があることもあるからです。手術当日、および翌日はできるだけ横になり安静にしてください。あなたは「自宅で入院」しているのです。
手術後は外来通院が必要です。手術により変わってきますが、傷が完全に治るにはふつうの内痔核の手術では1ヶ月はかかりますので、それまで数回の通院が必要となります。
手術が短時間ですんだから、手術後の痛みがすくないから、と外来受診がおろそかになる方もありますが、日帰り手術といっても、その昔は2週間ほど入院していた病気です。現在でも施設によっては、1.2週間の入院を要する手術です。手足のイボをとったのとは訳が違います。きちんと通院の指示を守って下さい。
術後でとくに注意して欲しいのは 排便のコントロールです。痛み、出血など 気になるところがあれば早めの受診をお願いします。
日帰り手術の後、あらかじめ用意してあれば楽なものを紹介します。どうしても必要、ということはありませんが、術後あまり仕事を休めない人はお求めになった方が、術後経過がよいと思います。興味のある人は右図7をクリックしてください。
なおこれとは別に、術後の経過を見る上で、血圧計はご用意頂いたほうが安心です。