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大腸癌4 大腸癌の分類

  1. 早期癌の分類
  2. 進行癌の分類
  3. TNM分類
  4. Dukes分類
  5. TNM分類 T
  6. TNM分類 N
  7. 大腸がん取り扱い規約

大腸癌の形態分類

大腸癌は大腸のいちばん浅い(腸の内側に近い)粘膜層より出てきます。進展するにつれ、さまざまな形態をとります。形態は早期癌と進行癌で違っています。

早期癌は表在型(図1マウス)をとり、その形により、隆起型(I)と表面型(II)に分けられます。隆起型は

  • 有茎性;Ip=明らかな茎をもつ形
  • 亜有茎性;Isp=茎がはっきりしない形
  • 無茎性;Is=茎がない形

の3つにわけます。この形の大腸癌は、良性ポリープである腺腫から大腸癌ができる(adenoma-carcinoma sequence)と考えられています。

また、隆起がはっきりしないものを表面型とよび、

  • 表面隆起型;IIa=表面がわずかに盛り上がった形
  • 表面平坦型;IIb=表面が平たく凸凹がほとんどなく、表面の色の変化でのみ腫瘍の存在がわかる形
  • 表面陥凹型;IIc=表面がわずかに陥凹した形

の3つに分類します。表在型は小さなものから粘膜下層へ潜りこみ進行が速いものが多く、さきの隆起型とは違った発ガンのメカニズムをもつ(de novo cancer)、と考えられています。

進行癌は

  1. 1型=腫瘤型
  2. 2型=潰瘍限局型
  3. 3型=潰瘍浸潤型
  4. 4型=瀰漫(びまん)浸潤型

と、おおきく4つに分類されます(図2マウス)。いずれの形にも分類しにくいときは5型とされます。

大腸癌の病期分類

大腸癌がどれだけ進行しているか、をあらわす目安として、よく医師が「この大腸癌はステージ2です。」といいます。ここでいうステージがすなわち、病期です。ステージが上がれば、それだけ癌が治りにくい、とされます。ここではその考え方について説明します。

  1. T 深達度(癌がどこまで深く入っているか)
  2. N リンパ節転移(癌がどこまでリンパ節に転移しているか)
  3. M 遠隔転移(癌が遠くまで転移しているかどうか)

の3つを主な指標として、分類されています(図3マウス)。

Dukes分類

1932年来の古典的な分類ですが、その考え方は現在も基本です(図4マウス)。リンパ節に転移したものをC、遠隔(肝臓、肺など)へ転移したものをDとし、リンパ節転移のないもので大腸壁の筋層をこえたものをB、こえていないものをAとします。

TNM分類

国際的に標準とされる分類で、O-IVにわけます。Tは腫瘍の深達度をあらわし(図5マウス)、Tisは粘膜内にとどまる癌で、T1は粘膜下層まで、T2は固有筋層まで、T3は漿膜下層まで、T4は周辺臓器への浸潤をさします。

リンパ節転移(N)については、所属リンパ節に転移がないものをN0、あっても3個までのものがN1、4個以上をN2としています(図6マウス)。

遠隔転移はあればM1、なければM0です。

大腸癌取り扱い規約

本邦でいちばんよくもちいられている病気分類です。おおまかな思想は欧米と同じですが、リンパ節転移については異なります。

すなわち、Dukes、TNMが単純にリンパ節の個数を問題にしているのに対し、どれだけ遠くのリンパ節まで転移しているか、を中心に考えています。たとえば、リンパ節の転移が3個なら、TNMならばN1の扱いですが、このうち一つが例えば下腸間膜動脈根部リンパ節であれば、N3(+)との扱いになります(図7マウス 改訂予定)。

大腸癌の組織分類

従来より、大腸癌の組織は大きく(1)腺癌(2)扁平上皮癌(3)腺扁平上皮癌 と分類してきました。ほとんどの大腸癌は(1)腺癌で、これをさらに高分化癌、中分化癌、低分化癌、粘液癌、印環細胞癌と細分しています。

新しい大腸癌取り扱い規約では、これも再編される予定です。組織分類について、詳しく知りたい方は、大腸癌の分類 補足の頁を参照してください。

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