腺腫以外のポリープには過形成ポリープ、過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープがあります。いずれも基本的には良性のポリープで癌化することは珍しいので、症状がなければ経過観察をします。
下部結腸から直腸にかけ、歳を取るにつれ多発します。内視鏡では扁平隆起で、表面が平滑なことが特徴です(図1)。ときに表面に突出し大きくなるものもあり、このようなときは腺腫との鑑別がつきにくいので内視鏡下にポリープ切除します。
組織型(粘膜筋板の樹枝状増生、腺管の過形成)から過誤腫とされます。次の2種類に分類します。
幼児に多い型なので、若年性と呼びますが成人にもよくあります。腺管の拡張と炎症が特徴で、内視鏡で見ると、「茎はあっても太短く、表面が赤くなりくずれたよう(図2)」に見えます。出血しやすいのも特徴です。
人の名をとってこう呼びます。内視鏡では茎をもった白っぽいゴツゴツしたポリープです(図3)。食道以外の消化管に多発し皮膚や粘膜の色素沈着を認めるときは、遺伝性疾患のポイツイェーガース症候群になります。わずかながら癌化の可能性があります。
慢性大腸炎が治ったあと多発してできるもので、内視鏡では白い茎状の細長いポリープです(図4)。経過の長い潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の経過中によくみられます。ほかのポリープが組織が増えてできるのと違い、これは周囲の粘膜が炎症でそげ落ちて、残ったところが盛り上がっているように見えるだけで、偽のポリープです。もちろん、治療の必要もありません。