以前からトイレに入るたびに苦しんでいたじー太くん。肛門科で診察を受け、一大決心をして手術を受けることになりました。
肛門疾患での日帰り手術のすすめかたをパラパラ漫画で記しています。下のイラストをクリックし拡大された画像の右上をクリックすると次のイラストへ、左上をクリックすると前のイラストへ移り、右下のXをクリックすれば閉じます。
手術手順などは病院により、多少異なります。内痔核の根治術でも当院のように日帰り手術で行っているところもあれば、2週間ほど入院を要する病院もあります(どちらがよい、ということではなく、それぞれの医療機関の考え方の違いです)。ここでは当院での日帰り手術の手順を記します。
当日は午前中(おそくとも11時まで)に絶食で来院してください。当日の体調を伺って、最終的に手術の確認をします。ふだんより服用している薬があれば、糖尿病の薬、抗凝固薬以外は朝早く服用して頂いてけっこうです。
病室で麻酔と手術の準備をします。点滴は手術前の脱水をふせぎ、麻酔後の血圧の変動を安定させるために行います。浣腸は術後早期の排便を防ぐ意味があります。手術場へ出室する前に、肩へ注射をします。
当院では午後1時から最初の手術になります。麻酔が切れるために必要な時間から、サドルブロック麻酔での手術は一日3件まで、としています(局所麻酔などで対応できる手術は別です)。
病院により麻酔の方法が変わります。これも病院の対費用効果についての考え方や、どの麻酔法に一番習熟しているか、で決まります。当院ではサドルブロック麻酔を第一選択としていますが、この理由としては
いちばん一般的な体位です。手術台にうつぶせになり、両足は閉じて術者は手術台の左横に立ちます。施設によっては開脚した間に術者が立つこともあります。
脱肛の程度がわかりやすいので、肛門科単科の施設では好まれる体位です。女性なら婦人科の検診台の体位のイメージがわかりやすいかも知れません。両足をひらき脚台の上にのせて、肛門部を突き出す形になります。術者は患者の両足の間に坐ることが多いです。
おそらく普通に考えられているよりも、肛門の手術は短時間ですみます。程度の軽い内痔核ならば、15分前後で終わります。脱肛が強いものや複雑な痔瘻は30分以上かかることもあります。手術中は麻酔のおかげでほとんど痛みがありません。
手術後は麻酔がじゅうぶんに覚めるのを待って帰ります。サドルブロック麻酔では足下がしっかりして歩行に支障がないかどうか、排尿がスムースにできるかどうか、が重要です。およそ3-4時間は必要になりますが、術後早期に創部から出血が起こらないかどうか、を経過観察する意味もあります。
帰宅前にもう一度創部のチャックをします。出血などがないことを確認してから帰って頂きます。なお、じぶんではしっかり歩けているつもりでも、第三者がみればフラフラしていることもあります。早く帰宅したい人は必ずどなたかのお迎えをお願いします。帰宅途中で転倒してケガしては大変です。