クローン病では肛門周囲膿瘍や、痔瘻などの肛門疾患を高率に合併します。腸管症状が乏しい時期に、難治性の痔瘻を発症し、その後腹痛などを発症することでクローン病と診断がつくことも少なくありません。
再発をくり返したり、何回も手術が必要となるような肛門疾患では(とくに若い男性では)、クローン病の合併を考える必要があります。
図1 これらのうち、3,4,5は通常の(クローン病でない)症例と、治療の方針や手術成績はあまり変わりません。しかし、1,2は難治性で再発が多い特徴があります。
とくに直腸病変が肛門に及んだときは、直腸狭窄などをともない治療に難渋します。
痔瘻のトンネルが通常の痔瘻と異なります(図2)。
肛門の病変は生活の質を下げますので手術をおこないます。ただし、痔瘻の走行が複雑、多発するために、頻回の手術で肛門括約筋の機能を損傷するおそれがあります。このため、通常の痔瘻の手術でおこなうような括約筋温存手術はおこなわず、seton法(図3)が多く用いられます。
再発をくり返し治療に難渋する場合は、最近は抗TNFα抗体のレミケードを使うこともあります。ただし、高価な薬ですので安易に用いるのではなく、適応は十分考えなければなりません。
クローン病での肛門病変について
クローン病では肛門周囲膿瘍や、痔瘻などの肛門疾患を高率に合併します。腸管症状が乏しい時期に、難治性の痔瘻を発症し、その後腹痛などを発症することでクローン病と診断がつくことも少なくありません。
再発をくり返したり、何回も手術が必要となるような肛門疾患では(とくに若い男性では)、クローン病の合併を考える必要があります。
肛門病変の種類
図1 これらのうち、3,4,5は通常の(クローン病でない)症例と、治療の方針や手術成績はあまり変わりません。しかし、1,2は難治性で再発が多い特徴があります。
とくに直腸病変が肛門に及んだときは、直腸狭窄などをともない治療に難渋します。
クローン病の痔瘻の特徴
痔瘻のトンネルが通常の痔瘻と異なります(図2)。
痔瘻の治療方針
肛門の病変は生活の質を下げますので手術をおこないます。ただし、痔瘻の走行が複雑、多発するために、頻回の手術で肛門括約筋の機能を損傷するおそれがあります。このため、通常の痔瘻の手術でおこなうような括約筋温存手術はおこなわず、seton法(図3)が多く用いられます。
再発をくり返し治療に難渋する場合は、最近は抗TNFα抗体のレミケードを使うこともあります。ただし、高価な薬ですので安易に用いるのではなく、適応は十分考えなければなりません。